医院名 |
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河合耳鼻咽喉科医院 |
院長 |
河合 敏 |
住所 |
〒236-0051 神奈川県横浜市金沢区富岡東5-20-8 吉川ビル2階 |
診療科目 |
耳鼻咽喉科 |
電話番号 |
045-773-0133 |
綿棒や耳かきで耳そうじ(外耳道のそうじ)を習慣的にされている方は少なくありませんが、果たして正しい行為なのでしょうか。
お答えする前に、外耳道と耳垢(みみあか、じこう)についてお話したいと思います。
外耳道はその入口から鼓膜までの管(成人では約3cm)で(図1)、耳垢を自然に排泄する機能(自浄作用)が備わっています。すなわち外耳道の皮膚には移動性があり、鼓膜に付けたインクは6~12週間後には外耳道の入口にまで移動することが知られています(図2)。また耳垢はpH5強の酸性で、病原菌などが外耳道に生着するのを防ぐといった役割も担っています。
ですから、自然に排泄され、またその過程で外耳道を守ってくれる耳垢を無理に取る必要はありません。西欧の医学書には「耳そうじは不必要」と明記されています。
逆に耳そうじによるトラブルは多岐にわたり(図3)、耳垢栓塞(じこうせんそく)(図4)のほか、鼓膜穿孔(鼓膜を破ってしまった状態)(図5)などを来すこともあります。
外耳道の自浄作用が備わっていない乳幼児や、自浄作用が低下した高齢者、体質的に耳垢が湿っている方などを除けば、一般に耳そうじは風呂上りに外耳道の入口をタオルなどで軽くふき取るだけでよいのです(図6)。
外耳道に大きな耳垢が見えたときは、医療機関(耳鼻咽喉科)での除去をお勧めします。